今回は自分も身に覚えのある話題( PloS one. 2024;19(4);e0300245. pii: e0300245.)です。

不安定な勤務形態で働いていた若い頃の経験は、中年期の健康に悪影響を及ぼす可能性のあるみたいです(変動的な勤務時間で働いていた人は、50歳の時点で睡眠の質の低下や抑うつ症状が現れている人が多い)。

How our longitudinal employment patterns might shape our health as we approach middle adulthood—US NLSY79 cohort | PLOS ONE

 

調査への参加者が22歳の時から30年以上にわたって健康状態を追跡調査したNLSY79(National Longitudinal Survey of Youth-1979)のデータを用いて、7,336人のデータを分析しました。

 

その結果、22歳から49歳にかけての勤務形態として、1)ほとんど働いていない(10%)、2)20代は標準的な勤務時間だったが、30代に入ると不安定な雇用形態に規定された変動的な勤務時間(夕方勤務や夜間勤務のような標準的ではない勤務時間やシフト勤務のような不規則な勤務時間など、勤務時間の定まらない不安定な勤務形態)での労働が主となった(17%)、3)20代は標準的な勤務時間だったが、30代に入ると不規則な勤務時間での労働が主となった(12%)、4)ほとんどは標準的な勤務時間だったが、たまに変動的な勤務時間での労働があった(35%)、5)常に標準的な勤務時間で働いていた(26%)の5パターンに分類されることが明らかになりました。

 

さらに、20代は標準的な勤務時間だったが30代に入ると変動的で不規則な勤務時間での労働が主となった人では、50歳の時点で1日当たりの睡眠時間が最も短く、睡眠の質が最も低く、身体的および精神的な機能が最も低下しており、健康不良や抑うつ症状を報告する可能性が最も高いことが分かりました。

 

以上から、勤務形態には健康に与えるプラスの影響とマイナスの影響があり、その影響は生涯にわたって蓄積される可能性があることが分かります。

仕事を長く続ける上で、ワークライフバランスは大切です。

バランス良くいきましょうw (小児科 土谷)