下痢は、いろいろな原因によって腸の動きが活発になるとともに、腸の水分吸収が悪くなったり、腸液の分泌が増えることで、水分の多い便が頻回に排泄されることによって起こります。

 

下痢は基本的に体を治そうとする反応のひとつでもあるため、無理に止めようとするとお腹のウイルスや菌が排出されず、治癒を遅らせてしまうこともあります。そのため、自分の力で治るのを待つことも時には必要となります。

ホームケアのポイント

脱水症状に注意しよう

子どもは、おとなに比べると体の中の水分の割合が多いため、嘔吐・下痢の状態が長く続くと脱水になりやすいので、注意が必要です。少しでも脱水症状の徴候がみられたら医療機関を受診しましょう!

落ち着くまでは水分摂取を中心に

頻回の下痢が続く・悪化しているときは、無理に食べものを与えずに水分を中心に与え、いったん様子をみるようにします。食事の刺激で腸の蠕動運動が始まり、腹痛が出現したり下痢がひどくなる可能性があるからです。

母乳・ミルクを与える場合

下痢がひどい時は少量を数回に分けて飲ませましょう。母乳やミルクをやめたり、ミルクを薄めたりする必要はありません。

その他の水分を与える場合

適度な電解質と糖分の入った経口補水液(OS-1、アクアライトORS)を与えると良いでしょう。糖分を多く含むものや柑橘系のジュースや乳酸飲料、牛乳は下痢を悪化させるため症状が落ち着くまで与えないようにしましょう。

食事のすすめ方

下痢症状が落ち着いてきたら消化が良く、刺激の少ないもので食事を与えましょう。脂肪分や繊維質が多いもの、冷たい食品、乳製品は胃腸に負担をかけるため避けましょう。

回復期の食事

できるだけ加熱調理した炭水化物(おかゆ、うどん、パン粥等)を与えましょう。

おむつかぶれ対策

排便の回数が多くなると、おしりに付着した便の成分、拭くときの摩擦によりおしりがかぶれやすくなるので注意しましょう。

  • オムツが汚れたらすぐに取り換えましょう。特に排便した後はすみやかにオムツを取り換えましょう
  • おしりや陰部は清潔を保ちましょう。おしりふきシートで優しく拭きとるか、シャワーか座浴で洗い流しましょう。その場合、お湯の温度は普段より低め、ゴシゴシ強く洗わず、刺激の少ない石鹸でよく泡立て、手で優しく洗いましょう。清潔にしたら、やわらかいタオル等で拭き、おしりを乾かしてからオムツを履かせましょう。
  • スキンケアは丁寧に行いましょう。ワセリンやベビーオイル等は皮膚の上に乗せるように、優しく塗布してあげてください。
  • おしりの皮膚に赤みが増したり、ただれていたりする場合は医療機関に相談しましょう。

受診の目安

  • 下痢症状が強く(5~6回/day以上)、半日以上(8~12時間程度)水分摂取が出来ない
  • 唇、口腔内や舌が乾き、泣いたときに涙やよだれが出ない
  • おしっこの量・回数が少なく尿の色が濃い
  • 唇が真っ青など、顔色が悪い
  • 活気がない、機嫌が著しく悪い、ボーっとしていて遊ばない
  • 激しい腹痛があるときやお腹がはっているとき
  • 便に血が混じる(血便;苺ジャム・ゼリー状)
  • (発熱の有無に関わらず)痙攣発作を起こしたとき:胃腸炎で痙攣発作を起こすことがあります。

受診の目安が分からないときは?

日本小児科学会が監修したHPです。子どもの症状別に、受診するかどうか判断の目安が分かりやすくまとまっています。

判断に迷ったら、是非参考にしましょう!

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下痢の時の食事2024