院長先生のブログ
子どもの熱中症①
暑い時期になってきました。
大人、子どもともに熱中症を起こしやすくなる時期でもあります。そこで、今回は子どもが熱中症を起こしやすい理由について考えてみましょう。
子どもが熱中症を起こしやすい理由
子どもが熱中症になりやすい理由は、大きく2つ、体温調節機能と水分調整機能が大人と異なることです。
◆体温調節機能の特徴
- 熱産生量が多く、そもそも熱が上がりやすい
- 発汗機能が未発達で熱がこもりやすい
- 自律神経系が未発達で体表面への熱運搬能が不十分
- (特に年少児の場合)自分で衣服の調整/選択が出来ない
- 体重当たりの体表面積が大きく外気の影響を受けやすい
新生児は大人の約3倍
生後6か月児で大人の約2倍
◆水分調整機能の特徴
- 体内水分比率が大人よりも高い:概ね1~2歳までに大人と同じ組成になる
- 1日に出入りする水分比率も大人の3倍程度と多い
- 尿濃縮能が未発達:概ね2~3歳頃までに大人と同程度になる
- 不感蒸泄が大きく水分を失いやすい:乳児は大人の3~4倍程度水分を失いやすい
- 口喝反応が遅く、年齢によっては自分で水分補給を十分量行えない
子どもの熱中症に対応したり、予防策を考えたりするうえで、「子どもならではの特徴」をきちんと理解しておく必要があります。きちんと理解しておきましょう。 (小児科 土谷)