院長先生のブログ
インフルエンザ発症リスクは喫煙者で高い
喫煙者はインフルエンザの発症リスクが高いようです(The Journal of infection. 2019 11;79(5);401-406. pii: S0163-4453(19)30254-3.)。
Cigarette smoking and the occurrence of influenza – Systematic review – Journal of Infection
MEDLINE、EMBASE、CINAHL、LILACS、Web of Scienceのデータベースを使用し、それぞれ創刊から2017年11月7日までの期間を検索しました。関連するランダム化比較試験、コホート研究および症例対照研究を特定した結果、臨床症状からインフルエンザを定義した研究6件と、検査でインフルエンザウイルスが確認された研究3件が対象になりました。研究の質は、Newcastle-Ottawa Scaleを使用して評価し、プールされたオッズ比(OR)は、ランダム効果モデルを使用して推定しました。
その結果、9つの研究、4万685例の患者についてレビューを行いました。
インフルエンザ様症状を報告した6つの研究において、喫煙者は非喫煙者よりも、発症リスクが34%高かったことが分かりました(OR:1.34、95%信頼区間[CI]:1.13~1.59)。
検査でインフルエンザの発症が確認された3つの研究では、喫煙者は、インフルエンザ発症リスクが非喫煙者の5倍高かったことが分かりました。(OR:5.69、95%CI:2.79~11.60)。
以上から、喫煙者は非喫煙者と比較してインフルエンザの発症リスクが高いと思われます。
今年も秋になり、インフルエンザの予防接種が始まります。
自分が感染しないために、インフルエンザの流行を抑えるために、子どもだけでなく、大人も含めて一人でも多くの方がワクチン接種を受けられると良いと思います。 (小児科 土谷)