院長先生のブログ
働き方改革

働き方改革、近頃よく耳にするようになった言葉です。
すでに様々な業界で導入されており、医療業界にも働き方改革の波は当然やってきています。
きっと勤務医の先生方を中心に、いろいろと働き方にも変化があったと思います(あったはず!?)。
先日、「働き方改革のせいで、日本の医学研究は終わった」というメールでのやりとりを目にしました。
そこで思ったことは、それが本当であれば、海外の医学研究はもうとっくに「終わってる」んじゃないの?ってことです。
僕の同期や先輩の先生方の中には、研究のため海外留学を数年してきた方が多くいらっしゃいます。
そして、皆さん「海外滞在中は過ごしやすかった(主にQOL)。家族で過ごす時間も多かった。etc」と話され、留学を満喫してた人が多かったように思います。
(勿論例外はありますけど。。羨ましいw)
当時から、研究者のQOLが高い米国の研究力が落ちたという話は聞きません。
今もそうですw
自分の生活を捨て、「馬車馬のように研究しないと成果が出ない」という発想は、そろそろ捨てましょう。この「歯を食いしばってハングリー精神」はレジリエンスを担保するものではありませんし。。
捨てるべきは、この問題を放置してきた昭和初期からの誤った認識だと僕は思います。
昨今、日本の研究力の低下が叫ばれていますが、まず研究者が無理をしないで、安心して研究に没頭できる仕組み(経済的な側面も含めて)を構築すること。
自分が大学で研究していた頃の「とても苦労した経験」は、今の若い研究者の皆さんに決して味わって欲しくはありません。 (小児科 土谷)