院長先生のブログ
救急・救助の現況

遅くなりましたが・・「令和5年版 救急・救助の現況」が総務省消防庁から公表されています。
令和5年版 救急救助の現況 | 救急救助の現況 | 総務省消防庁 (fdma.go.jp)
一般市民による目撃ある心原性心停止患者の1か月後の社会復帰率(第85図)はコロナ感染流行の影響か3年前の9.0%から6.6%とこの3年で2.4%も低下しています。
一般市民による目撃がある心原性心停止のうち約6割の方々はバイスタンダーCPRを受けており(これまでと変わらず。第82図)、一般市民による目撃がある心原性心停止28834人のうち一般市民によりAEDで除細動をされたのが1229名(目撃ある心停止のわずか4.3%のみ)と引き続き少数です(第83図)。
一般市民が心肺蘇生をすると社会復帰率が何もしない時の2.6倍に、さらに除細動まですると12.9倍に向上しています(第89図)。
「いざという時には救急車を呼べば良い」と思われるかもしれませんが、119番通報をしてから救急車が現場に到着するまでに要する時間は8分台から10分台と遅くなり(第49図)、救急車を待つと手遅れになります。
そのため、一般市民による胸骨圧迫(バイスタンダーCPR)とAEDを使用した早期除細動(バイスタンダーAED)が救命のためには不可欠です。
今年は日本で一般市民がAEDを使えるようになって20周年です。
一人でも多くの方を心臓突然死から救命するために、一丸となって頑張っていきましょう。(小児科 土谷)