院長先生のブログ
long COVIDの病態 -その他㉒-
long COVIDのバイオマーカーに関する論文(Sci Adv. 2024 Feb 23;10(8):eadi9379.)です。
高感度FluoroSpotアッセイを用いて、long COVID患者の末梢血単核球から持続的に高レベルのIFN-γが放出されることを示した研究です。
このIFN-γ放出は急性感染から回復した患者と異なり、生体外ペプチド刺激がない場合にも認められ、long COVID患者では持続的に上昇したままでした。
IFN-γの放出はCD8+T細胞を介し,CD14+細胞(単核球)による抗原提示に依存していました。
また、症状の改善・消失はIFN-γ放出がベースラインレベルまで減少することと相関していました。
以上から、long COVIDのバイオマーカーとしてIFN-γが有用な可能性があることが分かりました。
患者さんを診ていくなかで、客観的指標があると指針として助かります。どんなマーカーがlong COVIDを診療していく際に役立つのか、今後の研究が期待されますね。 (小児科 土谷)