院長先生のブログ
COVID-19 ワクチン⑥
ワクチン接種とlong COVIDの有病率の関連を検討した論文(Ann Epidemiol. 2024 Feb 19:S1047-2797(24)00031-0.)を紹介します。
COVID-19に罹患した成人データベースであるMichigan COVID-19 Recovery Surveillance Studyのデータを用いました(n=4695)。
30日および90日のCOVID(罹病期間それぞれ30日以上または90日以上)を検討し、ポアソン回帰を用いて、ワクチン接種者(COVID-19発症14日以上前に初回シリーズを完了)とワクチン未接種者(COVID-19発症前に0回接種)を比較した有病比(PR)を推定し、年齢、性別、人種・民族、学歴、雇用、健康保険、地方・都市性の違いを検討しました。
その結果、成人COVID-19患者4695人のデータが用いられました。
罹病期間30日および90日以上のlong COVIDの調整有病率は、未接種群と比較して接種群で低かった(それぞれ0.57,および0.42)ことが分かりました。つまり、発症前にワクチン接種を行った成人では有病率は43~58%低くなり、ワクチン接種はlong COVIDによる負担を軽減する重要な手段と考えられました。
これまでにも紹介してきたように、ワクチン接種はlong COVIDによる負担を軽減する重要な手段でもあります。罹患後に後悔しないよう、状況に合わせた賢い選択をしていきましょう。 (小児科 土谷)