院長先生のブログ
月まで三キロ
「月まで3km」という看板があることをご存じの方も多いと思いますが、今回は書籍の感想ですw
「月まで三キロ」 伊予原 新(新潮文庫)
伊予原さんの作品は「八月の銀の雪」しか読んだことがなかったので読んでみました。
全7編の短編が載っていますが、全作品の中で科学理論が紹介されていて、とても興味深く読むことが出来ました。
「月から三キロ」生きる希望をなくした主人公に、「月は一年に三、八センチずつ地球から離れて行っている」と語るタクシードライバーの悲しい思い出。
「星六花」気象予報士の男性と雪の結晶の神秘について語り合う、アラフォー女性の心の機微を描いたもの
「アンモナイトの探し方」ダムの建設により300世帯が水の底に沈んだ町で、日々アンモナイトの化石を発掘し続ける博物館の元館長の熱い想い!
などなど。
科学理論をこのような素敵な物語に仕立ててくれた作者の伊予原さんは、東大大学院で「地球惑星科学」を学ばれていたそうです。
きっと、こんな先生が授業をしてくれたら、理系好きな生徒が増えるのだろうな~と思いましたw (小児科 土谷)