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見附市小児科 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

早食いだと身長は縮むのか?

以前、早食いについてブログで書いたので、早食い関連の話題にします。

早食いは体重増加の独立したリスク因子で、先行研究から過体重が身長低下の独立したリスク因子であることが報告されています。

では、「早食いと身長低下は関連するだろうか?」という疑問について研究した論文(PloS one. 2023;18(4);e0284998.)を紹介します(成人が対象の研究です)。

Eating speed and height loss in relation to overweight: A retrospective study | PLOS ONE

対象は、日本人労働者8,982人で平均年齢は50.6歳(標準偏差8.3歳)でした。過体重はBMI 25.0kg/m2以上、身長低下は1年当たりの身長低下が最高五分位と定義しました。

 

その結果、既知の交絡因子にかかわらず、食べる速度と過体重には正の相関が認められ、遅いグループを基準とした場合、過体重の完全調整後オッズ比(OR)は、中程度に速いグループで1.96(95%信頼区間[CI]:1.54~2.50)、速いグループで2.92(同:2.29~3.72)でした。

過体重でない人は、食べる速度が速い人のほうが身長低下のオッズが高かった(完全調整後OR:1.34、95%CI:1.05~1.71)ことが分かりました。一方、過体重の人は、食べる速度が速い人のほうが身長低下のオッズが低かった(完全調整後OR:0.52、95%CI:0.33~0.82)ことが分かりました。

そして、過体重は身長低下と有意に関連していた(完全調整後OR:1.17、95%CI:1.03~1.32)ことが分かりました。

 

以上から、早食いの人の身長低下の主な原因は体重増加ではないみたいです。そして、早食いは過体重と関連し、過体重は身長低下と関連していました。

 

中年期以降の身長低下は心血管疾患による死亡の独立した危険因子であることが分かっているため、要注意です。ゆっくり味わって食べることで、心血管疾患を予防していきましょうw (小児科 土谷)

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