親のスマホの使用が子どもの言語発達に影響を与える可能性が示唆されていますが、今回はその親のスマホ使用と母子のやりとりに関する話題(Child development. 2024 Jun 26; doi: 10.1111/cdev.14125.)です。

16人の乳児(平均月齢4.1カ月、白人75%、女児63%)に1週間オーディオレコーダーを装着し、その録音データを、1万6,673分に及ぶ親のスマホの使用時間と同期させて、スマホの使用が母親の乳児への語りかけにどのような影響を与えるのかを調べました。
その結果、母親のスマホの使用は乳児への語りかけを16%減少させたことが明らかになりました。
また、長時間の使用に比べて、短時間(1〜2分)の使用の場合には乳児への語りかけが26%減少することも示されました。
さらに、スマホの使用が母子のやりとりに与える影響は、特定の時間帯(午前9〜10時、正午から午後1時、午後3〜4時;食事の時間や、兄弟/姉妹が学校や保育園から帰ってくる時間など、母親が子どもと接する機会が多い時間帯)に顕著になることも分かりました。
以上から、母親がスマートフォンを使っているときには、乳児への語りかけが減少し、乳児の言語発達に悪影響を及ぼす可能性のあることが分かりました。短時間のスマホ使用の方が乳児への語りかけが減る傾向が強いのは、Eメールチェックやメッセージの送信のようなタスクがメインになるからでしょうか(誰も独り言を言いながらメールチェックしませんもの)。
とにかく、お子さんが小さいうちは、できる限り子どもに関心を向けるよう努力することが大事ですねw (小児科 土谷)


