今日は子どもの気管支喘息に関連した話題です( JAMA network open. 2024 Nov 04;7(11);e2442803.)。
Asthma and Memory Function in Children – PMC
9歳から10歳の子ども約1万1,800人を登録して2015年に開始された、思春期脳認知発達(Adolescent Brain Cognitive Development;ABCD)研究の観察データを用いて、喘息が記憶能力に及ぼす影響が縦断的および横断的に検討されました。
縦断的分析では、喘息のある子どもおよび喘息のない子ども(対照群、平均年齢9.89歳、男子51%)237人ずつが対象とされました。喘息のある子どものうち、135人(平均年齢9.90歳、男子56%)は試験開始時に、102人(平均年齢9.88歳、女子53%)は2年後の追跡調査時に、親により喘息のあることが報告されていました(それぞれ、早期発症群、後期発症群)。
分析の結果、主要評価項目としたエピソード記憶(個人が経験した出来事に関する記憶)は全体的に向上していたものの、早期発症群では対照群に比べてその向上率が有意に低かったことが分かりました。後期発症群と対照群との間に有意な差は認められませんでした。
横断的分析では、研究期間のいずれかの時点で喘息があった子ども(1,031人、平均年齢11.99歳、男子57%)と喘息歴のない子ども(1,031人、平均年齢12.00歳、女子54%)が対象とされ、分析の結果、喘息のある子どもでは喘息のない子どもに比べて、エピソード記憶、副次評価項目とした処理速度、抑制力、注意力の全ての指標において、スコアが有意に低いことが示されました。
以上から、子どもの喘息は記憶能力の低下と関連し、特に喘息を早期発症した子どもでその影響が顕著であることが分かりました。原因として、(論文中では)喘息による長期にわたる炎症、あるいは喘息発作による脳への酸素供給の度重なる中断が原因となっている可能性を示唆していました。
今回認められたような記憶能力の低下は、子どもに長期的な影響を及ぼす可能性があるかもしれません。普段の喘息コントロールを良好に保つことが大切ですねw (小児科 土谷)

