ぐっすり良好な睡眠を取った朝は若々しい気分になります。もう年ですな。。
今日はそんな睡眠に関する話題(Proceedings. Biological sciences. 2024 Mar 27;291(2019);20240171.)です。
二つのパートから成る論文です。まず一つ目は横断研究として実施されました。18~70歳の429人(女性66%)を対象に、自分の実際の年齢と主観的な年齢、睡眠時間、および眠気の程度〔カロリンスカ眠気尺度(KSS):覚醒の感覚が最も強い状態を1点、眠気が最も強い状態を9点とする評価尺度〕を把握しました。
その結果、過去30日間で睡眠不足だった日が1日多いごとに、主観的な年齢が平均0.23年(約3カ月)高くなるという関連が認められました。睡眠不足の日数がゼロだった人は、主観的年齢が実際の年齢よりも5.81歳若かったことがわかりました。
さらに、KSSの点数が1点高いごとに主観的年齢が1.22歳高くなるという関連性があることが分かりました。睡眠不足の日数と主観的年齢の関連はKSSスコアで調整後にも有意であったことから、睡眠不足は眠気を介する経路とは別の経路でも主観的年齢を高めるように働くと考えられました。
二つ目の研究はクロスオーバー研究として実施されました。参加者は18~46歳の186人(女性55%)で、2晩連続で睡眠時間を1日4時間に制限する条件と、2晩連続で睡眠時間を1日9時間とする条件を設定しました。睡眠時間4時間では、9時間に比べて主観的年齢が4.44歳高齢となること、KSSスコアが3.4点高くなっていたことが分かりました。KSSスコアと主観的年齢とでは、KSSスコアが1点高いごとに主観的年齢が1.23歳高くなる関連があることが分かりました。ただし、睡眠時間と主観的年齢との関係が、KSSスコアで調整後には非有意となっていました。
以上の二つの研究から、KSSスコアが1から9になると主観的年齢が10歳高くなることが示されました。
睡眠不足と眠気を感じることは主観的年齢に大きな影響を及ぼすようです。
年齢を重ねても若々しい気持ちを維持するためには、良好な睡眠を取ることが重要ですねw (小児科 土谷)