小児および青年における心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する心理療法が小児および青年のトラウマ関連のネガティブな評価をどの程度軽減するか調査した研究(Behaviour research and therapy. 2024 Nov;182;104621.)を紹介します。

Do psychological treatments for PTSD in children and young people reduce trauma-related appraisals? A systematic review and meta-analysis – ScienceDirect

 

PTSDに対する心理療法が、小児および青年のトラウマ関連のネガティブな評価をどの程度軽減するかを調査するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施しました。

2022年12月11〜12日に、4つのデータベース(PsycINFO、Medline Complete、CINAHL Complete、PTSDpubs)より検索を行いました。バイアスリスクを評価するため、ROB-2評価ツールを用いました。

 

その結果、本レビューには、13研究、小児および青年937例が含まれました。
ランダム効果モデルを用いたメタ解析では、現在の治療法がトラウマ関連の評価に及ぼす影響は、統合エフェクトサイズが中程度であることが示唆された(g=−0.67、95%信頼区間:−0.86〜−0.48)。

以上から、小児および青年のPTSDに対する心理療法は、トラウマ関連のネガティブな評価を有意に軽減する可能性があることが分かりました。

 

最近ではコロナ禍で問題となった「子どもの心」の問題。

最近の小児精神領域での医療ひっ迫状況はありますが、非常に重要な問題です。

一日も早く状況が改善することを願っています。 (小児科 土谷)