母親のインターネット使用時間と、3歳児における重度う蝕(Severe early childhood caries :S-ECC)の発症に関連があるか調べた日本の研究を紹介します( BMC pediatrics. 2025 Jul 02;25(1);518. pii: 518.)。

A retrospective cohort study on the association between mothers’ prolonged internet usage and severe early childhood caries in their children | BMC Pediatrics | Full Text

 

本研究では、子どもの1歳半時点における母親の長時間インターネット使用と、3歳時点におけるS-ECCとの関連を検証することを目的に、後ろ向きのコホート研究を実施しました。

 

2016年4月から2017年9月の間に島根県松江市へ妊娠の届出を行った母親とその子どもを対象とし、1歳6か月児健診および3歳児健診時のデータを用いて、1,938件の記録を解析対象としました。子どもの3歳時点のS-ECCは、虫歯、喪失歯、または処置歯の合計が4本以上と定義しました。本研究では、1歳6か月児健診時における母親のインターネット使用時間に関するアンケートで、「1日5時間以上」と回答した場合を「長時間インターネットを使用している」と定義しました(仕事でのインターネット使用時間は含めない)。

 

その結果、子どもの1歳半時点における母親のインターネット使用時間が1日5時間を超えていた割合は2.0%でした。母親がインターネットに最も多くの時間を費やした目的としては「情報収集」が最多で、全体の59.5%を占めていました。一方、1日5時間以上インターネットを使用していた母親に限ると、「情報収集」に最も時間を費やしていた割合は26.3%にとどまっていました。また、子どもの3歳時点における虫歯の有病率は13.5%であり、S-ECCと判定された子どもの割合は2.6%でした。

 

子どもの3歳時のS-ECCと1歳半時点の母親のインターネット利用時間との関連について、前者を従属変数、後者を独立変数として単変量のロジスティック回帰分析を行った結果、1歳半時点の母親の1日5時間以上のインターネット使用は、3歳時点のS-ECCと有意に関連していました(オッズ比〔OR〕 4.64、95%信頼区間〔CI〕 1.58~13.60、P=0.005)。この傾向は、1歳半時点の親による仕上げ磨きと親の喫煙を共変量として追加した多変量解析でも維持されていました(調整OR 4.27、95%CI 1.42~12.86、P=0.010)。

 

以上から、母親が仕事以外で1日に5時間以上インターネットを使用していた場合、そうでない場合と比較して、子どもがS-ECCになるリスクが4倍以上高まる可能性があることが分かりました。

 

今回の研究は母親のみの研究でしたが、対象に父親を含め、両親の長時間インターネット使用との関連についても調査して欲しい。。

何にせよ、インターネットはほどほどに。 何事もほどほどが良い模様w (小児科 土谷)