旅行中に子どもが体調不良になった際の対応についての続編です。

旅行中の咳嗽

旅先では風邪や上気道炎に罹患しやすくなりますが、突然発症した咳嗽では気道異物の可能性も考えなければなりません(特に3歳以下)。

咳嗽時の対応

風邪などに伴う咳嗽では、水分摂取を行い口腔内の加湿を行いましょう。お茶やスープなどの温かい飲み物は咽頭粘膜の刺激性を落ち着け、鼻汁の流れを増やすため鎮咳効果も期待できます。ハチミツも夜間咳嗽に効果があると報告されており、1歳以上の子どもの咳嗽に試してみても良いかもしれません。

 

また、突然発症した、喘鳴や嘔吐を伴う強い咳嗽の場合、気道異物の可能性を考えなければなりません。

窒息が疑われる場合は以下のような緊急処置が必要です。

乳児の場合

≪背部叩打法≫

1.子どもをうつぶせにし、そのお腹側に腕を通します。

2.指で子どもの下あごを支えてつき出し、上半身がやや低くなる体勢にします。

3.手のひらの付け根で、肩甲骨の間を4~5回強くたたきます。

4.この方法で出なかった場合は、胸部突き上げ法を行います。

窒息に対する応急手当(乳児:背部叩打法)

≪胸部突き上げ法≫

1.前述した背部叩打法で異物が除去できない場合に、子どもの胸部を圧迫して詰まったものを取り除きます。

2.膝の上で仰向けにし、子どもの片足を脇にはさみます。

3.乳首の間を結ぶ線と胸骨が交差する場所から少し足側を片手の手根部で圧迫します。胸の厚さの約3分の1沈むくらいの強さ4~5回圧迫します。体重が重く落としそうなら、床の上で行いましょう。

4.異物がとれるか、反応がなくなるまで胸部突き上げ法と背部叩打法を交互に繰り返します。

窒息に対する応急手当(乳児:胸部突き上げ法)

*動画では2本指で行っていますが、G2025で片手の手根部で行うように変更されました。

幼児の場合:1歳以上 ~ 成人

≪腹部突き上げ法(ハイムリック法)≫

1.子ども/成人の後ろに回り、両方の手を脇から通し、片方の手で握りこぶしを作り、へそとみぞおちの中間くらいの場所に当てます。

2.こぶしを作った方の手を、もう片方の手でにぎり、斜め上に瞬時に引き上げます。

窒息に対する応急手当(成人:腹部突き上げ法)

旅先での医療機関の探し方

国内旅行の場合、出かけることが多いのは休日・祝日だと思います。殆どの医療機関は休診日であるため、時間外診療が可能な救急外来を探すか、地域の応急診療所を利用しましょう。

受診するべきか判断に迷った場合、#8000を利用したり、日本小児科学会Webサイト「こどもの救急」などを参考にすると良いでしょう。

子ども医療電話相談事業(♯8000)について|厚生労働省

こどもの救急(ONLINE-QQ)

 

海外で受診先の医療機関を探すことは大きな労力となります。外務省HP「世界の医療事情」では、国や地域ごとに現地の医務官が収集した情報をもとに、日本人の受診に適した医療機関情報が掲載されているので便利です。

世界の医療事情|外務省

 

これまでに、旅行中によく遭遇する「あるある」3大症状について触れました。

出かける前に知っておくと、旅先での安心に繋がりますので、ご参考になれば幸いです。 (小児科 土谷)