社会におけるAIの進歩は著しく、それは医療の世界にも当てはまります。
いろいろとAIを使った論文などを眺めていて、最早「正解がある問題に対してはAIに敵わない」のでは?と思うことが多々あります。そんな時代を生き抜かなければならない我々の進むべき道とは何か、ふと本を片手に考えてみました。
「人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20」 山口周著
人間が担ってきた認知的労働がAIにより代替されることへの3つの対抗策には・・・
1)正解のある仕事を避ける
2)感性的・感情的な知性を高める
3)問題を提起する力を高める・・・・・が挙げられていました。
1)は「人が正解を出す能力の価値が下がる時代」に突入している(明治以来の日本の学校教育における『学業に秀でた人、テストの点数が良い人』の存在価値が問われる時代になってきた)ことを意識し、就くべき職業を選択しなさいということかと思われます。
2)の感性的・感情的な知性を高めるということは、感情を読み取る力や共感力(empathy)、心に響く伝え方といった人間ならではの知性を磨きなさいということだと思います。まだAIは人間の気持ちを察したり、空気を読んで回答したりするレベルには到達していないと思いますので。。
3)は正解を出す能力が過剰な状況では、むしろ「課題設定のプロセス」がボトルネックになる、つまり、取り組むべき課題は何かを考える力を磨かなければならないということでしょう。
これら2)3)の力を高めるためには、単純な職業に関する知識(我々なら医療)だけではダメで、深く・広い教養が求められることになると思います。
AIは知的分野での便利な道具であり、きっと今後益々発展しその正確性を増すことでしょう。
これからの医師には、例え診断はAIに任せざるを得ない時代になったとしても、問診・身体所見をきちんと正しく取ること、感情・感性を磨くこと、さらに自身や社会が取り組むべき課題を見極める力が大切になるのだと思います。
医療分野での慢性的な人材不足や利益を上げにくい現在の診療報酬制度によってもたらされる現状を解決・打破する為にも、AIを上手く活用し、患者さんにも、医師にも優しい世の中になって欲しいな~と思いました。 (小児科 土谷)


