自分の同期にもマラソンを趣味にする友人(←学会先の東京で、早朝皇居ランとかしちゃう凄い人)がいるので、マラソンが将来的な心機能障害と関連するのか?興味があって調べてみました( JAMA cardiology. 2025 Dec 10; pii: e254456.)。
2009年のミュンヘンマラソンに参加した男性市民ランナーを対象とした「Be-MaGIC研究」の参加者277人のうち、10年後に再評価が可能であった152人を対象としました。評価は、2009年のレース前(ベースライン)、レース直後、レース1日後、3日後、および10年後の計5時点で行い、主要評価項目は2009年のマラソン直後の心筋トロポニンT(TnT)値のベースラインからの変化と10年後の右室駆出率(RVEF)のベースラインからの変化との関連としました。左室駆出率(LVEF)、拡張能指標(E/e’など)、バイオマーカー(TnT、NT-proBNP)なども評価しました。
その結果、ベースライン時における対象の平均年齢は43歳でした。2009年のミュンヘンマラソン参加前のフルマラソン完走数中央値は3回(四分位範囲:1~7)、参加後のフルマラソン完走数中央値は5回(同:2~9)でした。
RVEFは、レース前(中央値:52.4%)と比較して、レース直後(同:47.6%)およびレース1日後(同:50.7%)で有意に低かった(それぞれp<0.001、p=0.001)が、レース3日後には有意差はみられなくなりました(同:51.3%、p=0.18)。
10年後におけるRVEF中央値は51.9%で、レース前と比較して有意な変化は認められませんでした(p=0.15)。LVEFは、レース前(中央値:59.6%)と比較して、10年後(同:57.6%)でわずかに低く(p<0.001)、左室充満圧の指標である側壁E/e’はレース前(中央値:5.1)と比較して10年後(同:5.4)で高かった(p<0.001)ことが分かりました。
TnT値は、レース前(中央値:3ng/L)と比較して、レース直後(同:33.7ng/L)およびレース1日後(同:9ng/L)で有意に高かった(それぞれp<0.001、p=0.001)が、レース3日後(同:3.5ng/L)、10年後(同:7.0ng/L)には有意差はみられなくなっていました。2009年のマラソン直後に認められた運動誘発性のTnT値のベースラインからの変化と、10年後のRVEFおよびLVEFのベースラインからの変化との間に有意な関連は認められませんでした(RVEF:r=-0.10、p=0.35、LVEF:r=-0.09、p=0.35)。
以上から、フルマラソン直後には一過性の右室機能低下とTnT値の上昇が認められたものの、これらは数日で回復し、10年後の右室機能低下とは関連しないことが示されました。
それにしても、我々の年代になってもマラソンを続けている友人は本当に凄いの一言。
いつまでも、元気でいて欲しいものですw (小児科 土谷)


