昨日に続いて「睡眠」ネタですw
では、週末のキャッチアップ睡眠とうつ病のリスクには関係があるのでしょうか?( Sleep medicine. 2021 11;87;62-68.)
韓国からの論文です。
2016年の第7回韓国国民健康栄養調査のデータを用いて検討を行いました。うつ病の定義は、こころとからだの質問票(PHQ-9)スコア10以上としました。キャッチアップ睡眠の時間は、0時間以下、0~1時間、1~2時間、2時間以上で分類しました。
週末のキャッチアップ睡眠とうつ病との関係を検討した結果を以下に示します。
全体の参加人数は5,550人でした。
キャッチアップ睡眠の時間別うつ病有病率は、〔0時間以下(3,286人):7.0%〕、〔0~1時間(1,033人):4.2%〕、〔1~2時間(723人):2.9%〕、〔2時間以上(508人):6.0%〕でした。
共変量を含む多変量回帰分析では、キャッチアップ睡眠の時間が1~2時間の人は、0時間以下の人と比較し、うつ病リスクの有意な低下が認められました(オッズ比[OR]:0.517、95%CI:0.309~0.865)。
キャッチアップ睡眠の時間が0~1時間の人(OR:0.731、95%CI:0.505~1.060)と2時間以上の人(OR:1.164、95%CI:0.718~1.886)では、うつ病リスクに有意な変化は認められませんでした。
以上から、週末のキャッチアップ睡眠の時間が1~2時間の人では、うつ病リスクが低下する可能性があることが分かりました。
昨日は身体でしたが、精神面にも週末のキャッチアップ睡眠は良い影響を与えるようです。
普段おろそかにしがちですが、「睡眠」は大事ですね! (小児科 土谷)