時間制限食(time-restricted eating;TRE)が減量に役立つとする報告が増えていますが、摂取カロリーを減らすことと、どちらが減量効果が大きいのか興味が沸くところです(Annals of internal medicine. 2024 Apr 19; doi: 10.7326/M23-3132.)。

Effect of Isocaloric, Time-Restricted Eating on Body Weight in Adults With Obesity: A Randomized Controlled Trial: Annals of Internal Medicine: Vol 0, No 0 (acpjournals.org)

 

肥満のある前糖尿病または食事療法を行っている糖尿病の成人41人(平均年齢59歳、女性93%、平均BMI36)を無作為に1:1で2群に分け、TRE群は食事摂取可能な時間帯を10時間以内に限定し、午後1時までに1日の摂取カロリーの80%を摂取することとしました。

一方、通常の食事パターン(UEP)群は食事摂取可能な時間帯を16時間以内として、午後5時以降に1日の摂取カロリーの50%以上を摂取することとしました。

1日の摂取カロリーと栄養バランスは両群で等しくなるように設定しました。

介入前の体重は、TRE群95.6kg(95%信頼区間89.6~101.6)、UEP群103.7kg(同95.3~112.0)で、介入期間は12週間でした。

 

主要評価項目である介入期間中の減量幅は、TRE群が2.3kg(同1.0~3.5)、UEP群は2.6kg(同1.5~3.7)で、平均差は0.3kg(同-1.2〜1.9)であり、減量効果は同等と考えられました。

また、副次的評価項目として設定された血糖関連指標の変化にも有意差は認められませんでした。

 

以上から、減量にとって重要なのは摂取時間帯を制限することではなく、摂取カロリーを減らすことみたいです。

 

時間制限食(time-restricted eating;TRE)は、カロリー計算が不要で導入が容易であること、摂取可能な時間枠を設けることで1日の摂取量を減らすことに役立ち減量効果が見込めることから、肥満の患者さんに試みる価値はありますが・・・折角時間を制限しても、それなりのカロリーを摂取してしまえば減量効果は減弱してしまうので、そこら辺の患者教育が重要ってことなんでしょうねw (小児科 土谷)