小学生の頃だったか記憶は曖昧ですが、昔、道徳の教科書に載っていたような気がして、ふと手に取ってみた1冊です(教科書には1エピソードしか載っていなかったような・・)。

 

「にんじん」ジュール・ルナール作

この本は虐待を受けながらも、負けずに成長していく物語です。

母親による精神的虐待は凄惨さを極めます。まさに毒親です。
忙しさにかまけて、見て見ぬふりをする父親も同罪ではないかと思います。


本当なら、誰よりも愛してくれる筈の母親からの虐待。


「にんじん」の孤独、哀しみ。

子どもの頃は、「にんじん」の屈折した卑屈さもなんとなく嫌でしたが、今では、少しばかり卑屈になったり残酷になったりしても仕方ないと思います。


母親の今が幸せでなくとも、過去に虐待を受けていたとしても、彼女の行為は許されるべきじゃない。

昔読んだことのある方も、今読んだら色々と考えさせられると思うので、読み返してみては如何でしょうか。 (小児科 土谷)