スマートフォン(以下、スマホ)を手にしている子ども達のスクリーンタイムと健康障害に関する論文を最近みかけることが多くなってきました。
今回は、そのスクリーンタイムを削減することができるか?にフォーカスした論文( Pediatric research. 2024 Jun 05; doi: 10.1038/s41390-024-03243-y.)を紹介します。
米国の思春期の脳の発達に関する研究(ABCD研究)の参加者のうち約1万人の12~13歳の子どものデータを分析しました。
ABCD研究では、親が「わが子はデバイスを使いながら眠りにつく」などの項目についてどの程度当てはまるのかを、1(全く当てはまらない)から4(強く当てはまる)までの4段階で回答しています。
その後、親の評価により子どもの1日のスクリーンタイムをどの程度予測できるのかを調べました。
その結果、子どもの就寝時のデバイスの使用は、1日当たりのスクリーンタイムの1.60時間の増加と関連すること分かりました。同様に、食事中のデバイスの使用と、親が子どもと一緒にいるときにもデバイスを使用する「悪い手本」である場合も、スクリーンタイムはそれぞれ1.24時間と0.66時間の増加に関連していました。
一方、食卓や寝室でのデバイスの使用を禁止するルールを設けることは、子どもの1日当たりのスクリーンタイムの1.29時間の減少につながっていました。また、食事中や就寝時の子どものデバイスの使用状況を監視することも効果的で、1日当たりのスクリーンタイムは平均で0.83時間減っていました。デバイスの使用を「ご褒美」や「罰」として用いていた親の子どもは、1日当たりのスクリーンタイムが平均0.36時間と長く、この方法は効果がない対策であることが分かりました。

以上から、食事中や就寝時にデバイスの使用を禁止すること、親自身が適切にデバイスを使用する姿を子どもに見せることが最も効果的であることが分かりました。
就寝時のスクリーンタイムが増加することで思春期早期の健康や発達に不可欠な睡眠時間が減ってしまいます。
お子さんのスクリーンタイムに頭を悩ませているご家庭では、子どもの寝室にはデバイスを置かない、夜間はデバイスの電源や通知をオフにすることから始めてみては如何でしょうか。 (小児科 土谷)


