小児救急での患児・保護者のニーズを把握するために行われた記述式横断調査の結果を紹介します(PLoS One. 2024 Jun 25;19(6):e0305562. doi: 10.1371/journal.pone.0305562. eCollection 2024.)。

A national survey of children’s experiences and needs when attending Canadian pediatric emergency departments – PMC (nih.gov)

2018年1月~2020年3月にカナダ全土10施設で小児救急科を受診した7-17歳の児514例(平均年齢:11.8歳、女子:56.5%、在院時間:4.1時間、その後の入院・転院:12.9%)および保護者にプライバシー保護や診療全般への満足度などについて「はい」「いいえ」を選択、または5段階で評価するアンケートを実施しました。

児は受診中に24の質問に答え、保護者も受診後7日以内にE-mailや電話で61の質問に回答しました。

 

その結果、児の13.1%が病院入棟時、10.3%が診察室への入室時、2.6%が退院時に恐怖を感じ、児の43.1%と保護者の38.2%が待ち時間が非常に長いと感じていました。一方、児の90%超が医師や看護師によくケアしてもらったと感じており、94.8%が救急科受診に満足していました。保護者は、79.7%が児のニーズが満たされ、77.5%が自身のニーズが満たされたと回答していました。

 

診察時のプライバシーは、児の78.8%が医師や看護師との会話中に、78.3%は検査中に守られていたと回答しており、保護者の90%は児のプライバシーが尊重されていたと回答していました。

 

医療者とのコミュニケーションは、児の91.1%が直接医師と話し、84.2%は質問や不安などに医療スタッフや保護者に答えて貰ったとしていたが、医師に答えて貰った児は34.2%で、診断と治療を理解したのはそれぞれ69.5%と67.2%、保護者は80.2%と80.7%でした。

 

患児の診断及び治療に対する理解度を高める因子を、ロジスティック回帰分析で検討したところ、診断に対する理解度向上には、①医師が直接話しかける(OR 2.21 [1.15, 4.28])、②質問や不安に対し誰かに答えて貰う(OR 2.51 [1.26, 5.01])、③児の年齢が高い(1歳あがる毎のOR 1.08 [1.01, 1.16])が関連しており、病院での恐怖感の有無とは関連はありませんでした。

 

治療に対する理解度向上にも、医師が児と直接コミュニケーションをとることが関係した一方(OR 2.19 [1.13, 4.24])、病院入棟時あるいは退院時の恐怖感は、治療への理解度を低下させる危険因子でした(順に同0.77,0.66-0.90、同0.46,0.22-0.96)。さらに、保護者のニーズが満たされていると感じる因子として、①児の疼痛が適切に管理されている、②保護者の感情的なニーズが医療スタッフによって満たされている、などが挙げられました。

 

以上から、医師との直接的なコミュニケーションは、児の診療に対する理解度を向上させることが分かりました。

 

ということで、小学校以上の子どもであれば、きちんと説明すれば分かってくれますw

時間外診療などの忙しい現場では難しいかもしれませんが、可能な限り!子どもにはきちんと説明しましょうね。 (小児科 土谷)