新型コロナウイルスは、ヒトだけでなく動物にも感染することが知られています。
今回は動物ネタにしてみようと思います。
2021年にアメリカのデンバー動物園で見られたアムールトラ、アフリカライオン、ブチハイエナの感染例について、16個体から時系列的に検体が回収され、ウイルスゲノム解析を行いました。
その結果、デンバー動物園での感染は当時ヒトで流行していた単一のデルタ株によってひきおこされたものと考えられ、感染動物においてはウイルスが急速に変異をしており(例:ハイエナでは特定の変異株が正の選択を受けて拡大し、さらに続けて変異を起こしていた)、それぞれの動物種ではヒトではあまり見られないような特定の変異が起きていました。さらに、いずれの動物種においてもウイルスの感染性に関わるN(ヌクレオカプシド)遺伝子に多くの変異が入っていたことが分かりました。
以上から、ヒトと日常的に接触する可能性のある3種の動物において、特定のウイルス変異株が体内で適応的に増え、しかも加速的に拡大していったことが分かりました。要するに、新型コロナウイルスはウイルスの進化とともに次々に新しい動物種に感染をする能力を持ち、さらに感染個体内でウイルスが独自の進化をとげていく、ということです。
以前から、このウイルスは世界から消えることはないんだろうな~っと思っていましたが、やっぱり消えそうにない感じで残念。
それにしても、このウイルスは厄介です。 (小児科 土谷)

