片頭痛は学童の約10%にみられ、起立性調節障害を併存していることが多いです。
成人では血清亜鉛レベルの低下と片頭痛の関連が報告されていますが、小児ではどうなんでしょう?( Nutrients. 2025 Nov 28;17(23); pii: 3753.)
2017年12月~2022年3月に片頭痛と診断された小児患者57例を対象に、初診時の血清亜鉛、鉄、銅、フェリチン濃度および起立性調節障害併存の有無を後ろ向きに調査しました。亜鉛欠乏は血清濃度80μg/dL未満と定義し、起立性調節障害の診断は日本の診断基準に基づき、立ちくらみ、悪心、動悸や呼吸困難、朝起きるのが困難などの主要症状のうち2つ以上ある場合としました。
その結果、解析対象の57例(男児26例、女児31例、年齢中央値13歳[範囲:7~19])において、血清亜鉛濃度の中央値は80.7μg/dL(範囲:57.8~113.3)であり、全体の40%に亜鉛欠乏が認められました。
起立性調節障害を併存していないのは31例(54.4%)、併存しているのは26例(45.6%)でした。起立性調節障害を併存していない群の血清亜鉛濃度中央値は77.5μg/dL(範囲:57.8~102.9)であり、併存群の86μg/dL(74.4~113.3)と比較して有意に低かった(p<0.001)ことが分かりました。亜鉛欠乏の割合は、起立性調節障害の非併存群で67.7%(21/31例)であったのに対し、併存群では7.7%(2/26例)でした(p<0.001)。線形混合モデル(LMM)解析の結果、年齢、性別、BMI、鉄、銅、フェリチンなどの要因を調整した後も、起立性調節障害の併存の有無のみが血清亜鉛濃度と有意に関連する因子でした(p=0.019)。鉄、銅、フェリチンの各レベルについては、起立性調節障害併存の有無による有意差は認められませんでした。
以上から、起立性調節障害を伴わない片頭痛患者(小児)では亜鉛欠乏が病態に関与している可能性があることが分かりました。意外と見落としがちなので、覚えておきましょうw (小児科 土谷)

