食べる早さと肥満の関連について、子どもでも当てはまるか調べた日本の研究を紹介します(Journal of dentistry. 2025 Mar 08;156;105666. doi: 10.1016/j.jdent.2025.105666.)。
大阪市の9~10歳の児童1,403人を対象に、咀嚼習慣を質問紙で評価し、咀嚼能力は色変化するチューインガムを用いて測定しました。肥満は、身長と体重に基づく過体重の割合で判定し、多変量ロジスティック回帰分析を行い、咀嚼習慣と咀嚼能力を説明変数とし、性別、DMFT指数、ヘルマン歯発育段階を調整した肥満のオッズ比を算出しました。
その結果、ロジスティック回帰分析では、すべての参加者において、肥満と性別(オッズ比[OR]=1.54、95%信頼区間[CI]:1.08~2.17 )、早食い(OR=1.73、95%CI:1.23~2.44 )、咀嚼能力低下(OR=1.50、95%CI:1.05~2.15)との間にそれぞれ有意な関連が認められました。
男子では、早食い(OR=1.84、95%CI:1.16~2.92)、満腹(OR=1.59、95%CI:1.03~2.46)、咀嚼能力の低下(OR=1.63、95%CI:1.02~2.59)が肥満とそれぞれ有意に関連し、女子では、有意に関連する変数はありませんでした。
早食いと咀嚼能力の低下を組み合わせると、肥満と有意に関連し、両方の行動を示す男子で最も強いオッズ比が観察されました(OR=3.00、 95%CI:1.49~6.07)。
以上から、9~10歳の児童において、早食い、口一杯の食事、および咀嚼能力の低下は、とくに男子で肥満と関連していたことが分かりました。さらに、肥満との関連は、早食いと咀嚼能力の低下を組み合わせた場合に高かったことも分かりました。
「早食い」は太る原因といわれていますが、これは子どもにも当てはまるようです。
せっかくご飯の美味しい新潟県に住んでいるのですから、ご飯はゆっくり味わって食べましょうね。 (小児科 土谷)


