日本でも、ここ最近ハーフマラソンやマラソンのレースが行われる数が急増しています。レース中に心停止などの重大な事故が参加者に起こり得ることは、皆様もご存じの通りです。
今回は、長距離走(マラソン+ハーフマラソン)レース中に発生する心停止の頻度について調査したアメリカからの報告を紹介します。
Cardiac Arrest During Long-Distance Running Races | Cardiology | JAMA | JAMA Network
この報告によると、2010~2023年に行われた長距離走(マラソン+ハーフマラソン)レースでは、完走者約2,930万人のうち176人で心停止が発生していました。心停止は、女性(10万人あたり0.19人)よりも男性(10万人あたり1.12人)に多く、マラソン(10万人あたり1.04人)の方がハーフマラソン(10万人あたり0.47人)よりも多く発生していました。
心停止の原因として最も多かったのは、冠動脈疾患でした。この心停止の頻度は2000~2009年と比べて増えてはおらず、症例致死率(心停止を起こした後、死に至る割合)は2009年以前が71%だったのに対して2010年以降は34%と半減していました(AEDの設置を含む救護体制の充実のため)。
長距離走レースに参加される方々は、(100%予見できる訳ではありませんが)普段から心電図を含む循環器系の検査を受けておくことが重要です。
そして、レース前に体調が完全でないときは、決して無理をしないようにしましょうね。 (小児科 土谷)

