隙間時間やお昼休みに読んでいた本を読み終えましたw

 

「思い出トランプ」 向田邦子

全13編短編集です。

多分、13枚のトランプを意識しているんだと思います。

(「思い出トランプ」という作品は出てきません)

 

短編の一部を少しだけ。

【かわうそ】
脳卒中で倒れ、後遺症が残った夫。元々楽天家の妻は、次第に残忍さを見せていくようになり…。
【犬小屋】
ふとしたきっかけで、家に出入りするようになった魚屋の青年。飼い犬にも店の残飯を出し、単純に親切な青年と思いきや…。
【大根の月】
料理が得意で、包丁もマメに砥ぐ妻。調理中、うっかり息子の人差し指を切ってしまい、家を出るも…。
【花の名前】
花の名前もろくに知らない夫に都度教えていた妻。ある日、花の名前から名を名乗った夫の愛人から電話が来て会うことに…。

 

人の弱さ、狡さ、愚かさ、後ろめたさなど、様々な人生の断面が、13枚の「トランプ」をめくる度に現れてくるような、そんな作品でした。 (小児科 土谷)