以前触れたとおり、Long COVIDの機序のひとつに持続感染が指摘されています。
今日はその持続感染に関する論文(Lancet Infect Dis. April 08, 2024)を紹介します。
大部分の被験者がワクチン接種や再感染前の影響を受けていない血漿を用いて、SARS-CoV-2抗原について検討したアメリカの研究です。
その結果、171人の被験者中42人(25%)にSARS-CoV-2抗原(スパイク,S1,ヌクレオカプシド抗原)が検出され、これらの抗原は感染後14カ月まで持続し、抗原陽性率の絶対差はCOVID-19発症後3~6ヵ月で10.6%,6~10ヵ月で8.7%,10~14ヵ月で5.4%でした。
また、急性期に入院した被験者は、入院しなかった者に比べて2倍の確率で抗原が検出されていました。つまり、急性期の重症度が抗原の持続に影響を与える可能性があるということです。
Long COVIDの機序において重視されている「持続感染」について多くのことが分かってきました。
この抗原持続がlong COVIDの症状と関連しているかの検討は必要ですが、血漿SARS-CoV-2抗原は急性感染後最大14ヵ月間持続するということは覚えておきましょうw (小児科 土谷)