最近では、スタンディングデスク等を取り入れたアクティブな仕事場が増えています。
(あんまり日本の医療業界ではみかけませんが・・)
アクティブな仕事場は、仕事のパフォーマンスを低下させず、従業員の認知能力を向上させる可能性があることが報告されています( Journal of the American Heart Association. 2024 Apr 16;13(8);e031228.)。
ボランティアの研究参加者44人(平均年齢35±11歳、女性63.6%)を対象に、4日間連続で4つの異なる仕事場(オフィス環境)で仕事をしてもらい、そのパフォーマンスの評価を行いました。
試験参加者は、初日は一般的なデスクで座って仕事を行い、その後の3日間は、スタンディングデスクで立ったまま仕事をする、トレッドミルで歩きながら仕事をする、ステッパーを使いながら仕事をする、のいずれかを、1日ずつランダムな順序で行いました。仕事のパフォーマンスは、11種類の認知機能評価バッテリーを用いた神経認知機能(推論、短期記憶、集中力)と微細運動能力(タイピングの速度とその精度)の観点から評価を行いました。
その結果、座位で仕事をした場合と比べて、立ったまま、あるいはトレッドミルやステッパーを使いながら仕事をした場合では、神経認知機能が改善する/変化しないかのいずれかであることが明らかになりました。特に、推論を評価する尺度の一つであるDouble Trouble Testのスコアは、2日目から4日目にかけて改善し続けていました。また、立ったまま、あるいはトレッドミルやステッパーを使いながら仕事をした場合には、タイピングのスピードは多少落ちたが、タイピングの正確さには影響がないことも示されました。
アクティブな仕事場で、仕事中に体を動かすことによって、従業員の認知能力や健康全般を改善させる可能性がありそうです。
普段から診察室で座りっぱなしの自分としては耳が痛い話しですが、これからは少しずつ職場での身のありようにも気をつけたいと思いますw (小児科 土谷)