COVID-19罹患後、完全に治癒するまでに何日ぐらいかかったのか、それぞれの感染流行の「波」ごとにに調査をした論文(JAMA Netw Open. 2024 Jun 3;7(6):e2417440. )を紹介します。回復に要する日数について人種差があるかについても調査が行なわれています。

Epidemiologic Features of Recovery From SARS-CoV-2 Infection – PMC (nih.gov)

 

アメリカの研究グループからの報告です。

それぞれの感染流行の「波」ごとに感染経験者(平均61.3才)約4700人に対してアンケート調査を行いました。

上図は感染の波ごとに完全回復に要した平均日数を示しています。

平均回復日数は、第1波の時は28日でしたが、オミクロン株流行時ではワクチン未接種者が18日、ワクチン接種者は15日と短くなったことがわかります。また、いずれの波においてもワクチン接種者は未接種者に比べて回復が早かったことがわかりました。

その一方、22.5%もの人が感染後90日目の時点で完全には治っていないと回答していました。要するに、アメリカでは、5人に1人が感染から3か月経ってもコロナから完全回復していないことがわかりました。

次の図では、完全回復に要した平均日数が人種ごとに示されています。

人種差があり、アメリカンインディアンでは完全回復までには50日以上かかっていましたが、アジア人では28日程度と短かかったことがわかりました(それでも長い!と思うのは僕だけでしょうか)。

他のデータから、アジア人は新型コロナにかかりにくいことが示されているので、アジア人は一般に、かかりにくく、早く治癒する傾向があるみたいです。

 

以上から、COVID-19に一度感染すると完全回復するまでに長期間かかることが分かりました。

 

自分も体が丈夫な方では無いので、その都度感染対策を行っていこうと思います。 (小児科 土谷)