体内で慢性的に炎症が続くと老化の速度が加速され、種々の病気になりやすいことが知られており、慢性炎症を抑制すると老化を一定程度抑制できるかもしれないといわれています。
今日はこの慢性炎症と老化についての話題に触れます。
Inhibition of IL-11 signalling extends mammalian healthspan and lifespan | Nature
Natureから引用します。マウスでの研究ですが、炎症性サイトカインの一つであるインターロイキン11(IL-11)を働かなくすると、寿命が正常マウスに比べて約2割程度延びることが示されています。
つまり、IL-11遺伝子を欠損させたマウス(=IL-11ノックアウトマウス)と野生マウス(=正常マウス)の寿命を比較したところ、IL-11遺伝子欠損マウスでは正常マウスよりも約20%寿命が延びていたことが分かりました。
また、正常マウスにIL-11の機能を抑制する抗体を投与した場合とプラセボを投与した場合を比較したところ、成体になってから抗IL-11抗体を投与した場合、プラセボ抗体投与マウスに比べて寿命が約25%伸びていたことが分かりました。

以上から、炎症性サイトカインの一つであるIL-11の働きを抑制すると寿命が延びるということが分かりました。
この結果は、炎症を起こりにくくすると寿命が延びるという従来指摘されていた説を補強するもので、過剰な炎症は寿命を縮めるということを意味します。
別の研究によると、適度な運動を続けることで、血液中の炎症マーカーが低下し、炎症が抑えられることがわかっています。
過剰な慢性炎症は抑えることが大事、それが寿命を延ばすことにつながるかもしれません。
そして、適度な運動は慢性炎症を抑制し、健康維持に重要な役割を果たすかもしれません。
運動不足の自分としては、耳が痛い話ですが。。
これからは気をつけて、体を動かすようにしようかなw (小児科 土谷)


