勤務医時代、いろんな地域で働きましたが、その時に感じていたことのひとつが「田舎のおじいちゃん、おばあちゃんは都市部と比べて元気である」ということです。

同時期に一緒に働いていた循環器内科の先生も、退任時に同じような事を送別会でおっしゃっていたので、こう感じているのは僕だけではないのではないと思いますw

そこで、タイトルに惹かれて手に取った1冊です。

 

「過疎の山里にいる 普通なのに普通じゃない すごい90代」 池谷 啓著

静岡県浜松市天竜区春野町は人口3500人の過疎地で、山里で出会うのはお年寄りばかりだが、ともかくみんな元気だという・・・。80代はざらという土地柄で働く、90代の7人の高齢者を紹介しています。

 〈いつも人の役に立とうとしてきた人生〉宮脇眞一さん(95歳)
 〈過疎の集落唯一の商店を毎日開く店主〉尾上せき子さん(99歳)
 〈自ら大木を伐採し枝打ちもする林業家〉鈴木末吉さん(92歳)
 〈森の中の一軒家で丁寧なひとり暮らし〉中田俊子さん(92歳)
 〈何事もさらりさらりと、決して怒らず〉村上久子さん(95歳)
 〈おちゃめな笑顔で人気者の和紙職人〉大城忠治さん(93歳)
 〈この道77年、注文が絶えない鍛冶職人〉片桐保雄さん(91歳)

 

まさに、これぞ「人生100年時代」を具現化したお年寄りの姿だと感心しました!

 

作中より
年をとってからの生活で寂しいのは「きょういくがない」(今日、行くところがない)、「きょうようがない」(今日、用事がない)ことだという・・


「今日、することがある」こと。そして、それを自ら生み出すこと。

 

きっと、これこそが「人生100年時代」の鍵なのでしょう。

単に、歳を重ねるだけでは豊かな老後は来ないのかもしれません。

 

いろいろと考えさせられたのと同時に、自分もこんなふうに元気な老人になりたいな!と思いました。

今度、この本を自分の両親にプレゼントしてみようと思いますw (小児科 土谷)