小児期と青年期におけるlong COVIDの主要症状についての論文(JAMA. 2024 Aug 21:e2412747. )を紹介します。
Characterizing Long COVID in Children and Adolescents | Pediatrics | JAMA | JAMA Network
米国RECOVER研究で、5367人の小児(6~11歳)および青年(12~17歳)のlong COVIDを検討した縦断的観察コホート研究となっています。
対象は898人の学齢期の子ども(感染者:751人、非感染者:147人、平均年齢8.6歳;女性49%;黒人またはアフリカ系アメリカ人が11%、ヒスパニック・ラテン系・スペイン系が34%、白人が60%)と4469人の青年(感染者:3109人、非感染者:1360人、平均年齢14.8歳;女性48%;黒人またはアフリカ系アメリカ人が13%、ヒスパニック・ラテン系・スペイン系が21%、白人が73%)。初回感染から調査までかかった日数の中央値は、学齢期の子どもで506日、青少年で556日でした。
結果の概要のみ示しますが、小児では記憶力や集中力の問題が最も顕著で、約62%に認められました。また、睡眠障害も64%で認められました。これらの神経認知症状は頭痛や身体の痛みにも関連していました。
一方、青年では記憶力や集中力の障害は47%とやや少なかったものの、頭痛や疲労感を伴うことが特徴でした(頭痛は55%,日中の眠気や低エネルギー状態は約80%)。
神経認知症状は小児期と青年期でもlong COVIDの主要症状で、小学生で記憶力や集中力の障害が多いようです。そして、小児期と青年期におけるlong COVIDでは、年齢層ごとに異なる症状パターンを呈するため、診療する際に注意を要する。覚えておきますw (小児科 土谷)


