今回はオミクロン株によるlong COVID予防におけるワクチン接種の効果についての論文(Rhiannon Green, et al. The impact of vaccination on preventing long COVID in the Omicron era: a systematic review and meta-analysis. MedRxiv.)を紹介します。

The impact of vaccination on preventing long COVID in the Omicron era: a systematic review and meta-analysis | medRxiv

 

2021年11月以降のSARS-Cov-2感染を対象にした31件の観察研究が特定され、そのうち11件がメタ解析に適していると判断されました。

結果として、ワクチン接種を受けた集団では、ワクチン接種を受けていない集団と比較して、long COVIDのリスクが22%ないし29%(P<0.0001ないしP<0.0001)減少し(10件の研究)ていたことが分かりました。

また、初回接種(mRNAワクチンであれば最初の2回)を行うと、未接種の場合と比較して19%低下させ(3件の研究)、ブースター接種は26%低下させ(P<0.0001)(4件の研究)、ブースター接種は初回接種と比較して23%低下させた(P=0.0044)(3件の研究)ことが分かりました。

以上の結果から、「ブースター接種はlong COVIDに対してさらなる予防効果をもたらす」ことが示され、著者らは季節ごとのワクチン接種プログラムの重要性を強調しています(複数回のブースター接種の効果についてはデータが不足しており、どの時点で接種を終了できるのかは結論を出せてはいない)。

 

これまでにCOVID後遺症(long COVID)に苦しんでいる人は数百万人はいると言われており、その治療薬はいまだ開発できていません。

この現状を考えると、感染予防が現実的な公衆衛生戦略であることは間違いなさそうです。(小児科 土谷)