既に先月からクリニック周辺もインフルエンザの流行が認められるようになっており、インフルエンザシーズンに突入しました。

そこで今回はインフルエンザ脳症に関する話題です。

アメリカCDCのMorbidity and Mortality Weekly Reportに関連したデータが示されています。

Pediatric Influenza-Associated Encephalopathy and Acute Necrotizing Encephalopathy — United States, 2024–25 Influenza Season | MMWR

 

アメリカでは2024~25年のインフルエンザシーズン中に、109例の子どものインフルエンザ脳症が確認され、罹患児の55%が病前は健康でした。

インフルエンザ脳症の33%は急性壊死性脳症(ANE)で、その40%が死亡していました。

 

また、インフルエンザ脳症患者の予後は不良で、74%が集中治療室に入り、19%が死亡しており、回復しても、多くの場合後遺症が残り、就学困難を伴うことがしばしばでした。その一方、インフルエンザ脳症患児のうち2024~25年にインフルエンザワクチンを接種していたのはわずか16%でした。


以上から、基礎疾患の有無に関わらず、生来健康な子どもでもインフルエンザ脳症になる可能性があり、脳症患児がワクチン未接種児に多いことが分かりました。

 

アメリカCDCでは生後6ヶ月以上のすべての子どもに毎年インフルエンザワクチン接種をするように推奨しています。

インフルエンザワクチン接種は重症化を防ぐという点で有効です。

当然ですが、どんなワクチンにも接種によるベネフィットとリスクがあります。両者を天秤にかけて、賢い選択をすることが大事だと思います。 (小児科 土谷)