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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

ワインは身体に良いみたい

アルコール摂取と心血管イベントとの関連について、多量のアルコール摂取が心血管に悪影響を及ぼす一方、少量であれば心血管に良い影響を及ぼす可能性があると言われています。

今回は、ワインの摂取が心血管の健康に及ぼす効果について調べた論文(Nutrients. 2023 Jun 17;15(12); pii: 2785.)を紹介します。

Nutrients | Free Full-Text | Association between Wine Consumption with Cardiovascular Disease and Cardiovascular Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis (mdpi.com)

 

Pubmed、Scopus、Web of Scienceを用いて、2023年3月26日までに登録されたワインの摂取量と冠動脈疾患(CVD)、冠動脈性心疾患(CHD)、心血管死との関連を検討した研究を検索しました。

その結果、25試験が抽出され、22試験についてDerSimonian and Laird Random Effects Modelを用いてメタ解析を実施するとともに、ワインの摂取量と心血管イベント(CVD、CHD、心血管死)との関連に影響を及ぼす因子を検討しました。異質性はτ2値を用いて評価しました(0.04未満:小さい、0.04~0.14:中等度、0.14~0.40:大きい)。

 

その結果、ワイン摂取はCHD、CVD、心血管死のリスクをいずれも有意に低下させていたことが分かりました。

リスク比(95%信頼区間)およびτ2値は以下のとおり
  CHD:0.76(0.69~0.84)、0.0185
  CVD:0.83(0.70~0.98)、0.0226
  心血管死:0.73(0.59~0.90)、0.0510


参加者の平均年齢、性別(女性の割合)、追跡期間、喫煙の有無はワイン摂取とCHD、CVD、心血管死との関連に影響を及ぼしませんでした。
メタ解析を実施した研究のバイアスリスクはいずれの研究も良好なもので、出版バイアスはCVDに関する研究で認められましたが(p=0.003)、CHD、心血管死に関する研究では認められませんでした(それぞれp=0.162、0.762)。

 

システマティックレビューおよびメタ解析によって、ワイン摂取はCVD、CHD、心血管死のリスクを低下させることが示されました。

リスク低減効果の高いワインの銘柄や具体的なワインの摂取量など、今後明らかになっていくと面白いですねw (小児科 土谷)

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