危うく忘れそうだったので、忘れないうちに続きを書こうと思いますw
(ちなみに、本日は学会参加のため休診となります。ご迷惑をおかけします)
旅行中に子どもが体調不良になった際の対応についてです。
旅行中の下痢
国内旅行中に発症する急性下痢症の主な原因は感染性胃腸炎です。夏季では細菌(カンピロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌、病原性大腸菌等)、冬季ではウイルス(ノロ、ロタ、アデノ等)が主な原因となります。
一方、海外渡航に伴う下痢症は旅行者下痢症と呼ばれ、その約80%が感染性があり、発展途上国では細菌性腸炎(発熱がある場合は熱帯熱マラリアやデング熱なども)が、先進国ではノロやロタウイルスによるウイルス性胃腸炎が多いとされています。2週間以上続く慢性の下痢症の場合、原虫の可能性もあるので注意が必要です。非感染性の原因としては、慣れない現地の飲食物や刺激物によるもの、体調不良やストレスなどが挙げられます。
子どもの旅行者下痢症の持続期間は成人より長く、重症化する可能性が高いとされており、要注意です。下痢を含め、渡航先でどんな疾患が流行しているか調べる場合、厚生労働省検疫所FORTHのHPが便利です。
旅先での対応
下痢をしている子どもは成人より脱水になりやすいため、治療のメインは水分補給、つまり経口補水液(ORS)です。経口補水療法を開始しても嘔吐が無ければ、消化の良い食べ物を少量から開始しましょう。海外旅行の際は、すぐ適切な食べ物が入手できるとは限らないことから、出発前に日本のインスタントお粥や味噌汁を予め準備しておくと良いでしょう。
また、経口補水がきちんと出来ていれば自然に軽快することも多く、抗菌薬は原則不要です。
例外は細菌性赤痢やカンピロバクター、コレラなどに罹患した場合や免疫低下状態にある子ども、全身状態が悪い場合などです。抗菌薬を投与するかどうかの判断は渡航先の医師の判断に寄ります。乳酸菌製剤などの整腸剤には下痢の短縮に有効であると考えられており、大きな副作用も無いことから使用しても構いません。
下痢止めは病原体の体外排泄を遷延させる可能性があるため、原則不要です。
受診の目安
数日様子を見ても、症状の改善が無い場合は旅行先の医療機関を受診しましょう。
全身状態が悪い場合、血便や強い腹痛を伴う場合、脱水症状があり経口補水療法で効果が認められない場合は、なるべく早く受診しましょう。
蛇足ですが、短期間の海外旅行であっても、子どもも含めて海外旅行保険には加入しておきましょう。
付帯サービスとして、渡航先の提携病院を紹介されたり、病院によってはキャッシュレス診療も受けることが出来たりするためです。
万が一の緊急事態にも対処できるよう、ご家族での加入を強くお勧めします! (小児科 土谷)

