海、野外活動と書いてきたので、次は「空」にしようと思いますw 旅をする際、飛行機を利用する方も多いと思いますので。

 

今回は飛行機の中で子どもたちが快適に過ごせるよう、機内環境が体に及ぼす影響(健康問題)と健康トラブル予防法について紹介したいと思います。

機内環境によって引き起こされる影響(健康問題)

低酸素分圧による影響

飛行機の客室内は、気圧:0.8気圧、温度:23-24℃、湿度:約10-20%の環境です。0.8気圧の機内では酸素分圧が80%になるため、動脈血酸素飽和度の低下をきたします。そのため、循環器、呼吸器系の疾患、脳血管障害や高度の貧血があるお子さんは、低酸素環境により体調が悪化するリスクがあるため要注意です。

気圧の変化による影響

体にある閉鎖空間にある空気が気圧の変化で膨張したり、収縮したりするため、以下のような健康障害が引き起こされます。

航空性中耳炎

中耳の空気が膨張・収縮することで痛み、閉塞感が生じます。感冒に罹患していたり、アレルギー性鼻炎があったりすると痛みが増強したり耳鳴りが出現したりするので要注意です。

乳幼児は泣くことで耳管が開きやすいですが、予防として、飛行機が上昇・下降する際にお子さんに飲み物を飲ませて、嚥下によって耳管解放を促しても良いでしょう。

感冒やアレルギー性鼻炎がある方は、搭乗前にきちんと治療しておくことは言うまでもありません。

航空性副鼻腔炎

副鼻腔の体積が変化することで痛みが生じます。

航空性腹痛

消化管内にあるガスが膨らむことで、痛みや腹部膨満感が生じます。

航空性歯痛

虫歯によって侵食され出来た空洞の空気が膨張・収縮することで痛みが生じます。

飛行機の揺れによる影響

乗り物酔いしやすいお子さんは、比較的揺れが少ない飛行機中央付近の座席を選択すると良いでしょう。

酔い止めを持っている方は、搭乗1時間前には服薬しておきましょう。

搭乗中、空腹や過食に注意し、揺れている間は動画視聴やゲームは中断しましょう。

その他

乳幼児が狭い座席で過ごすことは大きなストレスとなりますが、突然の揺れによる転倒、子どもの思いがけない動きによるケガや保護者に提供された熱い飲み物による火傷には要注意です。

座席のテーブル、椅子のひじ掛け、トイレのドアなどに指を挟む事例や、座席やフットレストの下に乳幼児が入り込んでしまう事例も報告されているので、子どもから目を離さないようにしましょう。

 

今回は、主に機内環境が体に及ぼす影響(健康問題)について触れました。

トラブル対処法については、また近いうちに書きたいと思います。 (小児科 土谷)