最近使われることが多くなった人工知能(AI)プログラムに関する話題です(Acta orthopaedica. 2024 Mar 21;95;152-156.)。
本研究では、実際の症例に近い架空の整形外科症例の診療録を基に、整形外科医(若手の整形外科医と経験やスキルが高度な整形外科レジデント)とChatGPTにそれぞれの症例の退院時報告書を作成させ、その内容の質と効率性を15人の専門家パネルに評価してもらいました。
その結果、整形外科医が作成した退院時報告書とChatGPTが作成した退院時報告書は、質の上では同等であると評価されました。そして、ChatGPTは整形外科医の10倍のスピードで報告書を作成していました。また、報告書の中に認められた事実とは異なる情報の数は、ChatGPTが作成した報告書の中で4つ、整形外科医が作成した報告書の中では6つ見受けられました。
以上から、人間の整形外科医とChatGPTが作る退院時報告書は質の上では同等であり、ChatGPTは人間の10倍の速さで書類を作成でき得ることが分かりました。
医師の働き方改革を進める上で、事務作業を減らし、医療の効率化を図ることが大切です。
医師は誰しも、患者さんを診る時間や自己研鑽のための時間を増やしたいですもの。
IT化が遅れている医療業界で、このような取り組みを今後、一層進めていって欲しいものですねw (小児科 土谷)