6月27日はムーミンシリーズの作者であるトーベ・ヤンソンの命日(満86歳没)です。

それにちなんで、ムーミンシリーズ終了後の初の短編集を読んでみました。

 

『聴く女 トーベ・ヤンソン(訳:冨原 眞弓)』

「黒と白 ―エドワード・ゴーリーに捧ぐ―」を含む18篇が収められている短編集です。

 

〈黒と白 ―エドワード・ゴーリーに捧ぐ―〉

恐怖小説集の挿し絵に没頭するうちに、現実と幻想の区別がつかなくなる男の話
〈聴く女〉
記憶を失っていく老女が、人間関係の縮図を作る話
〈第二の男〉
もうひとりの自分に出逢うことを夢見る男の話
〈愛の物語〉
あらゆる芸術展なるものに辟易していた画家が、久しぶりに讃嘆したのは見事な尻の女性のトルソだった。高額な作品なので、彼女と盗み出す相談をする・・・


バラエティーに富んでいますが、何となくシニカルで、北欧の空気感を感じさせる彼女らしい作品でした。 (小児科 土谷)