long COVIDによる日本の経済的損失は2024年GDPの1.6%

昨日がCOVID-19ネタだったので、関連した内容にしました。long COVIDの現状について概説した総説（Nat Med. 2024 Aug;30(8):2148-2164.）を紹介します。

long COVIDによる世界的累積罹患者数は約4億人とされており、経済へのマイナス効果は年間約1兆ドル（世界経済の約1％に相当）と推定されています。

日本経済に与える影響を見ると、総労働時間の損失が約1800万時間と推定され、GDPへの損失は約722億米ドルで、これは2024年の日本のGDPの1.6%に相当するものです。

そして、long COVIDによる労働力の損失は経済成長や産業に深刻な影響を及ぼしており、特に高齢化社会である日本では、労働力不足がさらに顕著になることが懸念されています。

著者らは「悲しいことに、我々は深い否定論に陥ってしまっており、新型コロナウイルスの脅威を乗り越えたかのような妄想を抱いています」と述べています。

COVID-19ならびにlong COVIDの問題は5類になったからと言って、決して看過すべきものではありません。

特に「超」高齢化社会の日本では。

高齢者やハイリスク群に相当する皆さんは、油断すること無く、感染の「波」に合わせた/備えた感染対策を引き続き行っていきましょう。　（小児科　土谷）