帯状疱疹ワクチンには高齢者の心臓の健康を守る可能性があるみたいです(European heart journal. 2025 May 05; pii: ehaf230.)。

Live zoster vaccination and cardiovascular outcomes: a nationwide, South Korean study | European Heart Journal | Oxford Academic

 

2012~2021年の韓国内の成人(50歳以上)220万7,784人の医療データを用いて行われた研究です。

傾向スコアマッチングにより、127万1,922人(平均年齢61.3±3.4歳、男性43.2%)を解析対象としました。このうち半数が、帯状疱疹ウイルスを弱毒化させた生ワクチンの接種者、残り半数が非接種者でした。

 

その結果、中央値6.0年間追跡した解析により、ワクチン接種群は心血管イベントリスクが低いことが示されました。

例えば、全心血管イベントは23%低リスク(ハザード比〔HR〕0.77〔95%信頼区間0.76~0.78〕)、主要心血管イベント(脳卒中、心筋梗塞、心血管死)は26%低リスク(HR0.74〔同0.71~0.77〕)、心不全も26%低リスク(HR0.74〔0.70~0.77〕)でした。ほかにも、脳血管障害(HR0.76〔0.74~0.78〕)、虚血性心疾患(HR0.78(0.76~0.80〕)、血栓性疾患(HR0.78〔0.74~0.83〕)、および不整脈(HR0.79〔0.77~0.81〕)のリスク低下が認められました。

以上から、帯状疱疹ワクチン接種者は心臓病のリスクが23%低いことが分かりました。その理由として、ワクチンによる炎症抑制、血液凝固抑制が関与していると考察されていました。

 

帯状疱疹ワクチン接種の健康上のメリットは帯状疱疹の予防にとどまるものではないようです。

当院でも高齢者向けの帯状疱疹ワクチンを取り扱っています。高齢者の皆さん、心臓の健康も守るために、帯状疱疹ワクチンを受けましょうね。 (小児科 土谷)