『Pokémon Sleep』による睡眠時間や寝つき、肥満度(BMI)等の改善効果を科学的に分析した論文を紹介します。

Temporal changes in sleep parameters and body mass index after using the Pokémon Sleep app | medRxiv

 

睡眠ゲーム『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』は、睡眠状態を測定・記録できるゲームアプリで、睡眠潜時や睡眠時間などが測定でき、それに基づく睡眠スコア、睡眠タイプ診断、睡眠導入BGM、スマートアラームの提供といった機能があります。

今回の調査では、『Pokémon Sleep』で取得したデータから、調査対象者(2063人:平均年齢:38.3±10.7歳、女性が1694人、平均BMI:24.1±4.4、平均睡眠時間:6.2±1.2時間、平均睡眠潜時:19.2±14.2分、平均中途覚醒率:9.1±8.2%)のポケモンスリープ利用開始日から90日間の睡眠時間を一晩ごと算出し、対象者を「睡眠時間が増えたグループ」と「睡眠時間が増えなかったグループ」に分けたうえで、その期間に『あすけん』で記録されたBMIの変化に、グループ間で差があるかを調べました。

同様に、「ねむる」を押した時刻から最初に「ぐっすり」に入った時刻までで求められる「寝つくまでにかかった時間」によっても、90日間で「寝つくまでにかかった時間が短くなったグループ」と「寝つくまでにかかった時間が変わらなかったグループ」に分け、BMI変化に差があるかを調べました。

 

その結果、睡眠時間の変化を調べたところ、『Pokémon Sleep』のユーザーは睡眠時間が長くなったことが判明しました(『Pokémon Sleep』の利用開始日から89日目までで総睡眠時間が平均0.5時間ほど増加した)。また、寝つきまでの時間が長かった人は、利用開始以降に寝つきが改善する傾向も確認できました。

 

総睡眠時間とBMIの変化の関連性について調べたところ、『あすけん』で食事管理をしている人のうち、『Pokémon Sleep』により総睡眠時間が改善された人は、改善されなかった人と比べてBMIが大きく低下しており、ダイエット効果が約2倍であったことが判明しました。

【総睡眠時間の改善有無によるBMI変化量グラフ】 

赤:睡眠時間が改善した人の平均(89日目の値は-0.38 kg/m2) 

青:睡眠時間が改善しなかった人の平均 (89日目の値は-0.19 kg/m2)

また、今回の調査期間で入眠時間が改善された人は改善されなかった人に比べて、BMIの低下が大きく、ダイエット効果が2.2倍であったことがわかりました。

【入眠時間の改善有無によるBMI変化量グラフ】 

赤:寝付きが良くなった人の平均(89日目の値は-0.51 kg/m2) 

青:寝付きが改善しなかった人の平均(89日目の値は-0.23 kg/m2)

そのメカニズムとしては、睡眠不足は食欲関連ホルモン(例:グレリン、レプチン)のバランスや、エネルギーの代謝等に悪影響を与えることが知られているため、睡眠時間等が改善することでダイエット効果の促進につながったのでしょう。

 

ゲームが睡眠改善やダイエットに役立つとは驚きですね!

兎角「悪者」にされがちなスマホアプリですが、使いようによっては健康増進になりそうです。

慢性的に睡眠不足の自分としても、早速使ってみたくなりましたw (小児科 土谷)