先週に引き続き、ニルマトルビル(パクスロビド)によるlong COVID発症抑制効果を検討した研究(Ann Intern Med. 2023 Nov;176(11):1486-1497. doi: 10.7326/M23-1394. Epub 2023 Oct 31.)を紹介します。

Effectiveness of Nirmatrelvir–Ritonavir Against the Development of Post–COVID-19 Conditions Among U.S. Veterans: A Target Trial Emulation – PMC

 

後ろ向きターゲットトライアル模倣研究で、米国退役軍人省医療システム(Veterans Health Administration:VHA)を使用しています。

対象は重症化リスクを有し、2022年1月〜7月に SARS-CoV-2 陽性となった、入院していない VHA 利用退役軍人:9593人(男性86%、中央値年齢は66歳)で、17.5%はワクチン未接種でした。

静脈血栓塞栓症および肺塞栓症の複合リスクの低下(サブハザード比,0.65)を除いて、ほとんどの新型コロナ後遺症(PCC)症状の罹患率において治療群と対照群との間に差を認めませんでした。

ICD-10 コードを用いた PCC の判定が不正確であった可能性があること、多数のアウトカムを評価したことで偶然に血栓塞栓関連イベントと偽の関連が生じた可能性があるものの、パクスロビドは31あるlong COVID症状のほとんどを抑制できないことが分かりました。

 

SARS-Cov-2持続感染に対する抗ウイルス薬の効果は、残念ながら少ないようです。 (小児科 土谷)