今回は、国内でも時折発生例が報告されている麻疹に関する話題(BMC Infect Dis. 2023 Nov 2;23(1):756. doi: 10.1186/s12879-023-08757-0.)です。

Attack rate, case fatality rate and determinants of measles infection during a measles outbreak in Ethiopia: systematic review and meta-analysis – PMC

 

エチオピアは麻疹排除に向けた取り組みを進めているものの、麻疹の再興アウトブレイクが発生しています。これまでに適切な対策を講じるため、多数の断片的かつ一貫性に欠ける発生調査が実施されてきたが、アウトブレイク期間中の感染率(attack rate)、致死率(case fatality rate)、および麻疹感染の成立要因に関する統合的なエビデンスは存在しませんでした。このシステマティックレビューおよびメタアナリシスは、麻疹アウトブレイクにおける感染率、致死率、ならびに感染の成立要因に関する累積的エビデンスを明らかにすることを目的としています。

 

システマティック文献レビューおよびメタアナリシスを実施しました。Google Scholar、Medline/PubMed、Cochrane/Wiley Library、EMBASE、Science Direct、African Journals Onlineの各データベースを用い、複数の検索語により文献検索を行いました。研究デザイン、データ収集法、解析手法を問わず、麻疹発生調査に関連する研究を対象として組み入れました。データはExcelスプレッドシートに抽出後、STATA version 17に取り込みメタアナリシスを実施しました。異質性の検定にはI²統計量を用い、出版バイアスの評価にはBegg検定およびEgger検定を用いました。オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出し、フォレストプロットで提示しました。

 

その結果、3004例の麻疹症例と33例の死亡を含む、8件の麻疹アウトブレイク調査が本研究に含まれました。プール解析された感染率および致死率は、それぞれ人口10,000人当たり34.51[95%CI:21.33–47.70]、2.21%[95%CI:0.07–2.08%]でした。サブグループ解析では、アウトブレイク時の感染率はオロミア州で最も高く(人口10,000人当たり63.05)、アムハラ州で最も低かった(人口10,000人当たり17.77)ことが分かりました。麻疹発生と関連する要因として、ワクチン未接種(OR=5.96;95%CI:3.28–10.82)および接触歴の存在(OR=3.90;95%CI:2.47–6.15)が同定されました。

 

本解析から、発生報告に基づく麻疹の高い感染率および致死率を示す明確なエビデンスが明らかとなりました。そして、麻疹感染はワクチン未接種および接触歴と強く関連していました。

 

日本でも、輸入感染例が発端と考えられる麻疹患者の発生が毎年報告されています。

上記のように、麻疹ワクチン未接種は麻疹感染と強く関連しています。

1歳になったら、誕生日のプレゼントとして、お子さんに麻疹ワクチンを接種しましょう。 (小児科 土谷)