昨年秋以降、世間で話題になった「熊」問題。

京都の清水寺で発表される「今年の漢字」も昨年は「熊」でした。

そこで、今日は「熊」にちなんだ絵本を紹介したいと思います。

 

『クマと少年』 あべ弘士/著

幼い頃から一緒に育てられたクマと少年の物語です。

アイヌの人たちの暮らしは壮大な自然の中で「動物たちとともに生きる」という考え方があります。

そして、人が生きていくためには動物や魚のほかにも多くの作物などの命を頂かなければなりません。

アイヌはそのことへの感謝のきもちを、大きなお祭り(絵本では熊祭り:イヨマンテ)をして神にささげ祈ることにします。小さな子どものクマのいのちを神にささげ神になっていただき、そのクマの肉をいただくのです。


少年と一緒に育てられた子グマ(キムルン)にもイヨマンテの順番がやってきますが、キムルンは少年の家から逃げ出し離ればなれになってしまいます。
それから、永い年月がたち少年も弓を射ることができる若者へと成長し二人は奥ふかい森のなかで再会します。そして・・・・

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アイヌの人たちにとっては、「熊」は神であり、「畏怖」の対象であると同時に重要な「獲物」でもあり、「恵み」でもあるわけです。

決して排除すべき「敵」ではないのです。

 

アイヌの世界観とは違いますが、何となく宮澤賢治の「なめとこ山の熊」通じるものがあるように感じました。

 

難しい問題ですが、人間と自然との望ましい関係を考えるきっかけを与えてくれるような絵本です。

お子さんと一緒に考えてみては如何でしょうか。 (小児科 土谷)