院長先生のブログ
蕁麻疹③

思いつきで書いているので、飛び飛びですが、蕁麻疹の話題です。
(先日患者さんのお薬手帳をパラパラ見せて頂いていたときに、思いつきました)
僕は、「急性蕁麻疹の場合はステロイドの内服(全身投与)は一般的に不要です」と外来で結論のみお話ししています(あんまり時間ないので)。
折角なので、今日はその理由のひとつとなる古めの論文(Ann Emerg Med. 2018 Jan;71(1):125-131.e1.)を紹介します。
18歳以上の成人での報告ですが、発症24時間以内の急性蕁麻疹に対して、レボセチリジンにステロイド(40mg/day × 4days)を併用して有効であったかを検討したランダム化比較試験があります。
その結果、「掻痒感の抑制」を見てみると、2日後に急性蕁麻疹の痒みスコアが0になった確率は、ステロイド群62%、プラセボ群76%で有意差が認められなかった(-14%; 95% 信頼区間 -31%~4%)と報告されています。
自覚症状(掻痒感)のエンドポイントが大して変わらないのであれば、薬剤の全身的影響を考えればステロイドの全身投与は控えるべきです。
・・という訳で、ご納得して頂けたら幸いです。 (小児科 土谷)