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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

適度な飲酒量は存在するのか?

自分はお酒を飲む方ですが、毎度宴会のたびに「適切な飲酒量」があるのか?疑問に思いつつ飲んでいます。

そこで今日は肥満および2型糖尿病に対する飲酒の用量依存的影響について調べた論文( The Journal of clinical endocrinology and metabolism. 2023 Nov 17;108(12);3320-3329.)を紹介します。

Dose-dependent Association of Alcohol Consumption With Obesity and Type 2 Diabetes: Mendelian Randomization Analyses | The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism | Oxford Academic (oup.com)

UK Biobankに登録されたヨーロッパ系血統の40万8,540人について、最初に自己申告による飲酒頻度と10項目の身体測定値、肥満、2型糖尿病との関連を検証し、その後全集団と飲酒頻度で層別化した集団でメンデルランダム化法を用いて解析を行いました。

 

その結果、週14杯以上の飲酒者では、遺伝学的に予測される飲酒頻度が週1杯増加すると、脂肪量は0.36kg(SD:0.03kg)増加し、肥満のオッズは1.08倍(95%信頼区間[CI]:1.06~1.10)、2型糖尿病のオッズは1.10倍(95%CI:1.06~1.13)と増加することが分かりました。(この関連は男性よりも女性で強かった)。また、週7杯以下の飲酒者では、遺伝学的に予測される飲酒頻度の増加と健康アウトカムの改善に関連を支持するエビデンスは示されませんでした。

 

以上から、適度な飲酒に肥満や2型糖尿病の予防効果はない可能性が示されました。そして、大量の飲酒は肥満度を増加させるだけでなく、2型糖尿病リスクを増加させる可能性があることも示唆されました。

 

自分は宴会の時に、ついつい飲んでしまう方なので、(飲酒量を少しでも減らすよう)肝に銘じておきますw (小児科 土谷)

 

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