院長先生のブログ
昼寝は子どもの学びに役立つのか?

未就学児は昼寝することが多いです。
子どもの昼寝は子どもたちの学びにどんな影響を及ぼすのでしょうか?(Child development. 2022 07;93(4);1145-1153. doi: 10.1111/cdev.13753.)
対象はシドニーの2カ所の保育施設に通う3~5歳の未就学児32人(平均年齢4歳3カ月)です。
これらの保育施設では、毎日決まった時刻に昼寝の時間を設けていましたが、子どもたちに対する文字の読み方や音に関する教育は行っていませんでした。
対象となった子どもは、それぞれ2~4週間かけて、7回のセッションに参加しました。このセッションでは、文字と発音の知識を確認するテストを行った後に、昼寝ありと昼寝なしの両方の状況下で文字と音の関係についてのトレーニングを行いました。
その後、文字と音の組み合わせや「このアルファベットはどう発音する?」などの質問で、子どもたちが学んだことを覚えているのかテストしました。
その結果、昼寝をした子どもは、事前に学んだ文字の音(letter sounds)が含まれている知らない言葉を見つけるテストの結果が優れていたことが分かりました。学んだ文字の発音を認識したり自分で発音したりするといった明示的学習(学習者が意識的に情報を処理して行う学習)に対する昼寝の有益性は認められませんでした。
昼寝は、読解力習得の鍵となる文字と音の関係を認識する能力(letter-sound mappings)を高めるみたいです。
機嫌の良さUPと子どもの体力回復にもつながるので、昼寝には子どもにとっては色んなメリットがありますねw (小児科 土谷)